古物商許可に更新はある?|更新制度が無い代わりに必要な手続き
「古物商許可って、何年かごとに更新が要りますか」。飲食店の営業許可や建設業の許可に更新があるので、同じように考えて心配される方が多いご質問です。
古物営業法に、許可の有効期間や更新の規定はありません。一度受けた許可は、返納したり取り消されたりしない限り続きます。更新料も、更新の手続きもありません。
ただし「何もしなくてよい」という意味ではありません。更新がない代わりに、届出を怠ると取消しになりうる仕組みになっています。この記事では、その中身を条文で確認します。
先に結論
- 更新制度はありません。有効期間の定めも、更新手数料もありません
- 代わりに必要なのは変更があったときの届出(法7条)
- 6か月以内に営業を始めない/6か月以上休止すると、取消しの対象になります(法6条1項3号)
- 廃業したときは許可証の返納が必要です(法8条1項1号)

条文に「更新」という言葉がない
古物営業法の全条文を通して、許可の有効期間や更新に関する規定は置かれていません。免許証の更新のように期限が来て失効する、という仕組みではないのです。
ではどうやって実態を把握しているかというと、変更があるたびに届け出てもらう方式です。
2 古物商又は古物市場主は、第五条第一項各号(第二号を除く。)に掲げる事項に変更があつたときは、主たる営業所又は古物市場の所在地を管轄する公安委員会に、国家公安委員会規則で定める事項を記載した届出書を提出しなければならない。
古物営業法 第7条第2項(e-Gov 法令検索より引用)
届出が必要になるのは、次のような場合です。
| 変わったこと | いつ届け出るか |
|---|---|
| 営業所の名称・所在地(5条1項2号) | あらかじめ(変更の日から3日前まで/規則5条3項) |
| 氏名・住所、法人の代表者 | 変更の日から14日以内 (登記事項証明書を添付すべき場合は20日以内) 規則5条6項 |
| 取り扱う古物の区分 | |
| 管理者の氏名・住所 | |
| ネット販売のURL(5条1項6号) |
届出をしなかったり、虚偽の記載をしたりすると10万円以下の罰金です(法35条1号)。「更新がないから連絡不要」ではなく、変わったその都度知らせる仕組みだとお考えください。

更新がない代わりの落とし穴|6か月ルール
(許可の取消し)第六条 公安委員会は、第三条の規定による許可を受けた者について、次に掲げるいずれかの事実が判明したときは、その許可を取り消すことができる。
三 許可を受けてから六月以内に営業を開始せず、又は引き続き六月以上営業を休止し、現に営業を営んでいないこと。
古物営業法 第6条第1項第3号(e-Gov 法令検索より引用)
ここが実務でいちばん注意すべき点です。「とりあえず取っておこう」で許可を取り、そのまま何もしないでいると、取消しの対象になりえます。
「引き続き六月以上営業を休止し、現に営業を営んでいないこと」とありますので、開業後に長く止まっている場合も同じです。事情があって一時的に営業できないときは、放置せず管轄警察署に事情を伝えておくことをお勧めします。
やめるときは返納が必要
(許可証の返納等)第八条 許可証の交付を受けた者は、次の各号のいずれかに該当することとなつたときは、遅滞なく、許可証(略)をその主たる営業所又は古物市場の所在地を管轄する公安委員会に返納しなければならない。
一 その古物営業を廃止したとき。
2 前項第一号の規定による許可証の返納があつたときは、第三条の規定による許可は、その効力を失う。
古物営業法 第8条第1項第1号・第2項(e-Gov 法令検索より引用)
更新がないので、放っておけば許可は残り続けます。やめたときは自分から返納する必要があり、返納して初めて許可は効力を失います。
本人が亡くなった場合は同居の親族または法定代理人が、法人が合併で消滅した場合は存続法人・新設法人の代表者が、遅滞なく返納します(法8条3項)。ご家族が古物商をされていた方からのご相談も、実際にいただきます。
更新はないが、定期的に見直したいこと
| 見直す項目 | 理由 |
|---|---|
| 標識の記載が今も正しいか | 氏名や区分が変わっていれば作り直しが必要です(プレートの作り方) |
| サイトの表示が今も正しいか | ネット販売をしている古物商には表示義務があります(ネットショップの手続き) |
| 管理者が今も在籍しているか | 営業所ごとに管理者の選任が必要です(法13条1項)。交代したら届出が要ります |
| 帳簿を3年保存できているか | 最終記載から3年間の保存義務があります(法18条1項) |
| 法令の改正に対応できているか | 令和7年10月から、室外機・電線などは1万円未満でも本人確認・帳簿記載が必要になりました |
よくあるご質問
Q. 何年も使っていない許可があります。今から使えますか。
A. 取り消されていなければ有効です。ただし法6条1項3号により取消しの対象になっている可能性があります。まず管轄警察署で許可が生きているかを確認し、あわせて住所・氏名などに変更がないかを点検してください。
Q. 更新がないなら、引っ越しても何もしなくてよいですか。
A. 届出が必要です。住所は第5条第1項第1号の事項ですので、変更の日から14日以内の届出になります。営業所を移す場合は第2号にあたり、あらかじめの届出です。
Q. 許可証をなくしました。更新のときに再発行されますか。
A. 更新がありませんので、その機会はありません。亡失・滅失したときは速やかに届け出て再交付を受けることが義務です(法5条4項)。許可番号の調べ方 もあわせてご覧ください。
Q. 廃業の届出をしないとどうなりますか。
A. 返納は法律上の義務です(法8条1項1号)。返納しない限り許可は残り、古物商としての義務も残ったままになります。やめると決めたら、遅滞なく手続きをしてください。
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参考(一次情報)
- 古物営業法(e-Gov 法令検索) … 第5条、第6条、第7条、第8条、第18条、第35条
- 古物営業法施行規則(e-Gov 法令検索) … 第5条
※本記事は一般的な解説です。許可が現に有効かどうかの確認や、休止・廃業の取扱いは管轄警察署にお問い合わせください。
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周南行政書士事務所 代表 広戸克義
参考(一次情報)
- 古物営業法(e-Gov法令検索) 第5条第4項/第6条/第7条/第8条
- 地方公共団体の手数料の標準に関する政令(e-Gov法令検索) 別表 二十八(古物営業の許可に関する事務)
- 実際の手数料額は各都道府県の手数料条例によります。申請前に管轄の警察署でご確認ください
※本記事は一般的な解説です。個別の事情により結論が変わることがあります。判断に迷う場合は営業所を管轄する警察署または行政書士にご確認ください。
※2026年8月27日更新






