古物商と質屋は何が違う?|「買う」と「預かって貸す」の境目

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「品物を預かって、お金を貸したい。古物商の許可でできますか」。答えはできません。それは質屋営業で、別の法律・別の許可になります。

買取店と質屋は、店構えも扱う品も似ています。どちらもブランド品や時計が並びます。けれども法律上のしくみはまったく違います。買取店は「買う」、質屋は「貸す」からです。

この記事では、二つの違いを条文で確認し、どちらの許可が要る場面かを整理します。

先に結論

  • 古物商は売買・交換をする営業(古物営業法2条2項1号)
  • 質屋は物を預かって金銭を貸す営業(質屋営業法1条1項)。許可も別です(同法2条1項)
  • 質屋が流質物を売るだけなら古物営業にあたりませんが、買い取りもするなら古物商許可が要ります
  • 質屋は古物市場で流質物を売却できます(質屋営業法18条2項)。古物商許可がなくても、という点が重要です
天秤・懐中時計・小箱・布袋が並ぶカウンターの水彩イラスト
買い取るのか、預かって貸すのか。ここが分かれ道です。

古物商は「買う」

(定義)第二条 2 この法律において「古物営業」とは、次に掲げる営業をいう。

一 古物を売買し、若しくは交換し、又は委託を受けて売買し、若しくは交換する営業であつて、古物を売却すること又は自己が売却した物品を当該売却の相手方から買い受けることのみを行うもの以外のもの

所有権が移ります。買い取った時点で、その品は店のものです。

質屋は「預かって貸す」

(定義)第一条 この法律において「質屋営業」とは、物品(有価証券を含む。)を質に取り、流質期限までに当該質物で担保される債権の弁済を受けないときは、当該質物をもつてその弁済に充てる約款を附して、金銭を貸し付ける営業をいう。

こちらは金銭の貸付けです。品物は担保として預かるだけで、期限までにお金が返ってくれば返します。返ってこなければ、そのとき初めて店のものになります。

(流質物の取得及び処分)第十八条 質屋は、流質期限を経過した時において、その質物の所有権を取得する。

許可も別建てです。

(質屋営業の許可)第二条 質屋になろうとする者は、内閣府令で定める手続により、営業所ごとに、その所在地を管轄する都道府県公安委員会の許可を受けなければならない。

古物商許可は主たる営業所の公安委員会にまとめて申請しますが、質屋は営業所ごとという違いもあります。

比べてみる

古物商質屋
根拠法古物営業法質屋営業法
やること買う・売る・交換する物を預かって金銭を貸す
所有権買った時点で移る流質期限を過ぎて初めて移る
許可の単位主たる営業所の公安委員会営業所ごと
お客様への支払い買取代金貸付金(利息がつきます)
戻せるか買った以上、原則戻りません弁済すれば戻ります

質屋には古物商許可も要る?

ここがよくご質問をいただくところです。分けて考えます。

場面ごとの整理

  • 流質物を店で売るだけ…自分の所有物になった品を売っているので、古物営業法2条2項1号の括弧書き(「古物を売却することのみを行うもの」)にあたり、古物営業にはあたりません
  • お客様から買い取りもする…これは売買です。古物商許可が必要になります
  • 実際の質屋の多くは、質と買取の両方をしています。そのため両方の許可を持っている店が一般的です

質屋は古物市場に入れる

古物市場では古物商どうしでなければ取引できないのが原則です(古物営業法14条3項)。ところが質屋営業法に特別の定めがあります。

第十八条 2 質屋は、古物営業法……第十四条第三項の規定にかかわらず、同法第二条第二項第二号の古物市場において、流質物の売却をすることができる。

「かかわらず」と明記されています。質屋は、流質物を売る目的であれば古物市場に参加できるということです。古物市場そのものについては古物市場ってどうやって入るの?にまとめています。

お客様の立場から見ると

手放したくない品を一時的にお金に換えたいなら質屋、手放してよいなら買取店、という選び分けになります。金額だけを比べると買取のほうが高いことが多いですが、質屋は返ってくる可能性を買っている、と考えると分かりやすいと思います。

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手放してよい品なら、買取の相場を見てから

古物商として仕入れの目安を知る意味でも、専門店の査定額は参考になります。

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※相場を知るための利用です。売る気のない物を大量に送るのは各社に迷惑がかかります。1〜2社・数点で十分です。他人から預かった物や、仕入れた在庫を私物として出すことはできません。

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これから始めるなら

買取と販売を中心にするなら古物商許可、預かって貸すことまでするなら質屋営業の許可もあわせて、という組み立てになります。質屋営業には営業所の構造や保管設備についての要件もありますので、店舗の計画段階からご相談いただくのが確実です。

古物商許可のほうは古物商許可申請に必要な書類のご案内をご覧ください。

参考(一次情報)

※質屋営業の許可要件や設備基準の詳細は都道府県により運用が異なることがあります。本記事は一般的な解説です。

古物商許可・金属くずのご相談は、地域の行政書士へ

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周南行政書士事務所 代表 広戸克義

参考(一次情報)

※本記事は一般的な解説です。個別の事情により結論が変わることがあります。判断に迷う場合は営業所を管轄する警察署または行政書士にご確認ください。

※2026年8月27日更新