タダ(無償)で譲り受けた物を販売する場合、古物商許可は必要?
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「知人から無料でもらった中古品を売りたい」「片づけで無償で引き取った物を売りたい」。こうしたご相談をよくいただきます。結論から申し上げると、まったくの無償で譲り受けた物を売るだけなら、原則として古物商許可は要りません。ただし、この「まったくの無償」というところに落とし穴があります。条文を示しながら、どこで線が引かれるのかを整理します。
まず結論と、その根拠になる条文
古物商許可が必要かどうかは、その営業が「古物営業」に当たるかで決まります。そして「古物営業」の定義には、見落とされやすいかっこ書きが入っています。
後半の「〜のみを行うもの以外のもの」が効いています。読み替えると、こういうことです。
条文が言っていること
- 売るだけの営業は、古物営業に当たらない(=許可不要)
- 自分が売った物を、その相手から買い戻すだけの営業も、古物営業に当たらない
- 逆に、買い受け(仕入れ)や交換が入ると、古物営業に当たる
無償で譲り受けた物を売る場合、そこに「買い受け」はありません。していることは「売却」だけです。だから、原則として古物商許可は要らない——これが法律上の筋道です。
それでも許可が必要になるのは、どんなときか
問題は「本当に無償か」です。名目が「無料」でも、実質的に相手方に対価が渡っていれば、それは買い受けです。
| ケース | 取扱い | 理由 |
|---|---|---|
| 知人から無料でもらった家具を売る | 原則、許可不要 | 買い受けがなく、売却のみ |
| 片づけの際に無償で引き取った物を売る | 原則、許可不要 | 同上 |
| 処分手数料をもらって引き取り、売る | 原則、許可不要 | お金は「引き取る側」が受け取っている。買い受けではない |
| 中古品を代金を払って仕入れて売る | 許可が必要 | 買い受けにあたる |
| 中古品を交換で受け取って売る | 許可が必要 | 条文に「交換」が明記されている |
| 「無料」と言いつつ、お礼や謝礼を渡す | 要注意 | 実質的に対価。買い受けと評価されうる |
| 他人から預かって、売って手数料を受け取る | 許可が必要 | 「委託を受けて売買する営業」にあたる |

「無料でどうぞ」で受け取った物でも、あとから謝礼を渡すと話が変わります

受け取るときに封筒が動いていれば、それはもう「無償」ではありません
いちばん多い勘違い──「委託販売」は許可が要ります
「自分で仕入れていないから大丈夫」と思われがちなのが、人から預かって代わりに売り、手数料をもらう形です。条文には「委託を受けて売買し、若しくは交換する営業」とはっきり書かれています。買い受けていなくても、これは古物営業です。
フリマアプリの出品代行、遺品整理に付随する販売代行などが、ここに当たりやすい形です。
「営業」といえるかどうかも分かれ目です
もうひとつの軸が「営業」に当たるかどうかです。ここには営利の目的と反復継続性があるかが関わります。家にあった不用品を一度だけ売る行為と、毎週のように仕入れて売る行為とでは、評価が変わります。
ただし「何回までなら大丈夫」という数字は法律に書かれていません。回数だけで機械的に決まるものではなく、実態で判断されます。継続して事業にしていくお考えなら、迷う前に許可を取っておくほうが安全です。
不用品回収とあわせて行う場合は、別の法律も出てきます
「無償で引き取って売る」を事業として行う場合、古物営業法とは別に廃棄物処理法の問題が出てくることがあります。引き取った物が「廃棄物」に当たるかどうかで、必要な許可が変わってくるためです。
ここは古物営業法だけを見ていても答えが出ません。回収業務とセットでお考えの場合は、早い段階でご相談ください。
家庭の不用品には本が混ざりがちです。一般の古本は値がつきにくい一方、専門書・大学教科書・医学書は、専門の買取サイトのほうが高くなることがあります。フリマに出す前に査定額を見ておくと判断しやすくなります。
当事務所が買取額を保証するものではありません。査定条件は各サイトの案内をご確認ください。
売る前に確認しておきたいこと
受け取るときに、ひとこと記録を
- 誰から、いつ、何を、無償で受け取ったのか
- お礼や謝礼を渡していないこと
- 相手方の連絡先
許可が不要な取引でも、記録が残っていれば、あとで「本当に無償だったのか」を説明できます。義務ではありませんが、続けていくつもりなら習慣にしておくと安心です。
よくあるご質問
Q. フリマアプリで売るだけでも古物商許可は必要ですか?
A. 自分が使っていた物、または無償で譲り受けた物を売るだけなら、通常は不要です。転売目的で仕入れているなら別です。
Q. 不用品回収のついでに引き取った物を売るのは大丈夫ですか?
A. 無償での引き取りであれば、古物営業法上は許可不要と整理されることが多いです。ただし廃棄物処理法の問題が別に生じます。回収を事業として行うなら、そちらの確認が先です。
Q. 「無料でもらった」と言えば必ず許可不要ですか?
A. いいえ。名目ではなく実態で判断されます。お礼を渡している、値引きの代わりに受け取っている、といった事情があれば、買い受けと評価される可能性があります。
Q. もらった物の中に本やゲームソフトがありました。何か違いますか?
A. 売るだけであれば、品目による違いはありません。品目で扱いが変わるのは、買い取る側になったときです(1万円未満でも本人確認が必要な7品目があります)。詳しくは本人確認の決まりや確認方法をご覧ください。
Q. 相続でもらった物を売る場合は?
A. 相続によって取得した物を売るだけであれば、買い受けはありませんので、同じ考え方になります。
迷う段階でご相談ください
「これは無償といえるのか」「今後は有償での仕入れも考えている」「回収業務とあわせて行いたい」——実務では境目が分かりにくい場面がよくあります。当事務所は周南市の行政書士事務所です。許可が必要かどうかという段階から、事業の内容を伺って整理いたします。
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古物商許可・金属くずのご相談は、地域の行政書士へ
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周南行政書士事務所 代表 広戸克義
参考(一次情報)
- 古物営業法(e-Gov法令検索) 第2条第2項第1号・第3条
- 警察庁「古物営業・質屋営業について」
- 山口県警察「古物営業」
※本記事は一般的な解説です。無償かどうかの評価は個別の事情によって異なります。実際の判断の前に、管轄の警察署または当事務所へご確認ください。
※2026年8月23日更新







