古物台帳はパソコンで管理していい?|電子で残すときの条文上の条件

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「古物台帳は、紙でないとダメですか」。ネット中心で商売をされている方から、よくいただく質問です。

結論から言えば、パソコンやクラウドで記録して構いません。条文にきちんと書かれています。ただし、電子で残すなら満たすべき条件が一つあります。

そしてもう一つ、税務のほうにも電子データの保存義務があります。こちらは古物営業法とは別の法律で、ネットで仕入れて売る古物商には必ず関わってきます。この記事では、その二つを整理します。

先に結論

  • 古物台帳は電磁的方法による記録でよいと条文に明記されています(法16条)
  • ただし「直ちに書面に表示することができるように」して、最終記載日から3年保存します(法18条1項)
  • データを壊した・失くしたときは、直ちに所轄警察署長へ届出です(法18条2項)
  • これとは別に、メールやサイト上でやりとりした請求書・領収書などは、電子データのまま保存する義務があります(電子帳簿保存法7条)
ノートパソコンと紙の帳面が並ぶ机の水彩イラスト
紙でも電子でも構いません。違うのは、備え方と、失ったときの手続きです。

古物台帳は電子でよい、と条文に書いてある

(帳簿等への記載等)第十六条 古物商は、売買若しくは交換のため、又は売買若しくは交換の委託により、古物を受け取り、又は引き渡したときは、その都度、次に掲げる事項を、帳簿若しくは国家公安委員会規則で定めるこれに準ずる書類(以下「帳簿等」という。)に記載をし、又は電磁的方法により記録をしておかなければならない。

「記載をし、又は電磁的方法により記録を」と並んでいます。紙と電子は選べるという書き方です。表計算ソフトでも、専用のアプリでも構いません。

電子で残すときの条件

第十八条 古物商又は古物市場主は、前二条の帳簿等を最終の記載をした日から三年間営業所若しくは古物市場に備え付け、又は前二条の電磁的方法による記録を当該記録をした日から三年間営業所若しくは古物市場において直ちに書面に表示することができるようにして保存しておかなければならない。

ポイントは「直ちに書面に表示することができるように」です。警察官が営業所に来て提示を求めたときに、その場で画面に出せて、印刷できる状態でなければなりません。

実務で気をつけたいこと

  • 営業所で見られる状態にしておく。自宅のパソコンにだけあり、営業所からは開けない、という状態は避けたいところです
  • 印刷できるようにしておく。プリンタがない場合の対応も考えておきます
  • 3年間は消さない。アプリを乗り換えるときは、旧データの移行または書き出しを忘れずに
  • バックアップを取る。次の届出義務があるためです

第十八条 2 古物商又は古物市場主は、前二条の帳簿等又は電磁的方法による記録をき損し、若しくは亡失し、又はこれらが滅失したときは、直ちに営業所又は古物市場の所在地の所轄警察署長に届け出なければならない。

パソコンの故障やクラウドの解約でデータが消えた場合も、この条文にあたり得ます。届出で済む話とはいえ、避けたい事態です。

台帳に何を書くかは古物台帳の決まり、書き方にまとめています。

もう一つの電子保存|電子帳簿保存法

こちらは税務の側の話です。名前が長い法律ですが、古物商に関わるのは1か条だけと考えてよいところです。

(電子取引の取引情報に係る電磁的記録の保存)第七条 所得税(源泉徴収に係る所得税を除く。)及び法人税に係る保存義務者は、電子取引を行った場合には、財務省令で定めるところにより、当該電子取引の取引情報に係る電磁的記録を保存しなければならない。

「電子取引」の定義はこうです。

第二条 五 電子取引 取引情報(取引に関して受領し、又は交付する注文書、契約書、送り状、領収書、見積書その他これらに準ずる書類に通常記載される事項をいう。以下同じ。)の授受を電磁的方式により行う取引をいう。

古物商の日常に置き換えると、次のようなものが該当します。

  • フリマアプリやモールから発行される取引明細・売上レポート
  • ネット通販で梱包材を買ったときの領収書PDF
  • メールで届いた請求書・納品書
  • 古物市場からメールで届く精算書

これらはデータのまま保存することになります。印刷して紙で保存すれば足りる、という扱いではありません。

二つの保存義務は、別々に走ります

古物台帳電子取引データ
根拠古物営業法16条・18条電子帳簿保存法7条
期間最終記載日から3年国税の保存期間に従う(原則7年)
見せる相手警察税務署

片方を満たしても、もう片方は満たしません。保存する場所とルールを、最初に分けて決めておくのが結局は楽です。

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※保存要件を満たすかどうかの具体的な判断は、税理士にご確認ください。行政書士は税務相談を業として行うことができません(税理士法52条)。

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まとめ

  • 古物台帳は電子でよい。ただし営業所で直ちに書面に出せる状態で3年
  • データを失ったら直ちに所轄警察署長へ届出
  • メール等で受け取った請求書・領収書はデータのまま保存
  • 二つの義務は別々。置き場所を分けて決めておく

台帳の作り方でお悩みのときは、当事務所でひな形のご説明もいたします。

参考(一次情報)

※本記事は一般的な解説です。税務上の取扱いについては税理士に、古物商許可については当事務所にご相談ください。

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周南行政書士事務所 代表 広戸克義

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※本記事は一般的な解説です。個別の事情により結論が変わることがあります。判断に迷う場合は営業所を管轄する警察署または行政書士にご確認ください。

※2026年8月27日更新