古物台帳の決まり・書き方【古物商実務】記載が必要な取引と3年保存

「古物台帳って、何をどう書けばいいの?」
このページでは、実際の記入例を見ながら、書き方を図でやさしく説明します。むずかしい言葉は、なるべく使いません。

いつ書く?品物を受け取った時・渡した時、
そのつど
5 何を書く?決まった
5つのこと
3年 いつまで残す?最後に書いた日から
3年間

古物台帳とは? ひとことで言うと「取引の日記」

古物台帳(こぶつだいちょう)は、「いつ・何を・だれから買ったか(だれに売ったか)」を書いておくノートです。法律の言葉では「帳簿(ちょうぼ)」といいます。

なぜ書くのかというと、盗まれた物が売り買いされるのを防ぐためです。もし盗品がまぎれこんでも、台帳があれば「だれが持ちこんだか」をたどれます。

お客さん品物を持ちこむ
→
本人確認免許証などを見る
→
台帳に書くそのつど記入
→
3年間 保管お店に置いておく

図:買い取りから保管までの流れ

紙のノートでも、Excelなどのパソコンのデータでもかまいません(古物営業法 第16条)。

書くのはどんなとき?「買うとき」と「売るとき」でちがいます

買い取るとき(受け取り)
  • 1万円以上の取引 → 書く
  • 1万円未満 → 基本は書かなくてよい
  • ただし「7つの品物」は1円でも書く(下で説明)
売るとき(引き渡し)
  • 基本は書かなくてよい
  • ただし「4つの品物」は書く
    ①美術品 ②時計・宝石 ③自動車 ④バイク・原付

買い取るとき:書く?書かない? 早わかり図

Q1. 買い取りの合計は 1万円以上ですか?
はい
↓
台帳に書く
いいえ(1万円未満)
↓
Q2へ
▼
Q2. 「7つの品物」のどれかですか?
はい
↓
1万円未満でも書く
いいえ
↓
書かなくてよい

※ お店が前に売った品物を、売った相手本人から買いもどす場合も、書かなくてよいとされています(古物営業法 第15条第2項第2号・第16条ただし書)。

売るとき:書くのはこの4つ

品物書くかどうか
美術品類1万円以上なら書く
時計・宝飾品類1万円以上なら書く
自動車(部品もふくむ)1万円以上なら書く
※自動車は、売った相手の住所・氏名などは書かなくてよい
バイク・原付本体は金額に関係なく書く
※部品は1万円以上のとき
上の4つ以外書かなくてよい

(根拠:古物営業法 第16条ただし書、同法施行規則 第18条)

1万円未満でも書く「7つの品物」

次の品物は、盗まれて売られやすいので、値段が安くても本人確認と台帳への記入が必要です。オレンジ色の4つは、令和7年10月1日から新しく加わったものです。

①バイク・原付
(部品もふくむ※)
②エアコン室外機・ヒートポンプR7.10〜
③家庭用ゲームソフト
④CD・DVD・ブルーレイ
⑤電線R7.10〜
⑥金属製グレーチング
(みぞのフタ)R7.10〜
⑦書籍(本)

※バイク・原付の部品のうち、ねじ・ボルト・ナット・コードなど、どこにでも使える部品はのぞきます。
(根拠:古物営業法施行規則 第16条第2項。条文の番号どおりにならべています)

台帳に書く「5つのこと」

書くことは、法律(古物営業法 第16条)で次の5つと決まっています。

番号書くことかんたんに言うと
①取引の年月日いつ
②古物の品目と数量何を・いくつ
③古物の特徴どんな物か(メーカー・型番・色・キズ・製造番号など)
④相手の住所・氏名・職業・年齢だれと
⑤本人確認のやり方どうやって本人だと確かめたか
開いた古物台帳に万年筆で記入する手と、買取伝票・電卓・中古のカメラや腕時計が置かれた机のイラスト

【記入例①】買い取ったとき(カメラを買い取った例)

お客さんから中古のデジタルカメラを25,000円で買い取ったときの書き方です。オレンジの番号は、上の「5つのこと」と同じ番号です。

古物台帳(買い取り)記入例
1
年月日
令和8年10月6日
区別
買受け買い取り=「買受け」。あずかって売る場合は「委託」、物どうしの取りかえは「交換」
2
品目・数量
デジタルカメラ 1台
3
特徴
○○社製 △△-100 黒 製造番号 1234567 レンズ付き 底面にすりキズありあとで「この品物だ」と分かるように、できるだけくわしく
代価
25,000円
4
相手の住所・氏名・職業・年齢
山口県周南市○○町1丁目2番3号
見本 太郎 会社員 45歳
5
本人確認のやり方
運転免許証の提示を受けて確認何を見て確かめたかを書く

記入例①:買い取りのとき(人名・住所・型番は見本です)

【記入例②】売ったとき(腕時計を売った例)

お店にあった中古の腕時計を38,000円で売ったときの書き方です。時計は「売るときも書く4つの品物」に入ります。

古物台帳(売り渡し)記入例
1
年月日
令和8年10月20日
区別
売却
2
品目・数量
腕時計 1本
3
特徴
○○社製 自動巻き 銀色 製造番号 A98765 ガラスに小キズ
代価
38,000円
4
相手の住所・氏名・職業・年齢
山口県下松市○○2丁目3番4号
見本 花子 自営業 52歳

記入例②:売り渡しのとき(人名・住所・型番は見本です)

【記入例③】台帳1ページに書くとこうなります

国の決めた形(古物営業法施行規則の別記様式第15号)は、左に「受け入れ(買ったとき)」、右に「払い出し(売ったとき)」を書く、横長の表です。同じ品物は同じ行に書きます。

← 表は横に動かせます →

年月日 受け入れ(買ったとき) 払い出し(売ったとき)
区別品目特徴数量代価相手の住所・氏名・職業・年齢/本人確認のやり方 区別年月日代価相手の住所・氏名など
R8.10.6買受けデジタルカメラ○○社製 △△-100 黒 製造番号1234567 底面にすりキズ1台25,000円周南市○○町1-2-3
見本 太郎 会社員 45歳
運転免許証の提示
書かなくてよい(カメラは4つの品物ではないため)
R8.10.9買受け腕時計○○社製 自動巻き 銀色 製造番号A98765 ガラスに小キズ1本20,000円光市○○3-4-5
見本 次郎 無職 68歳
マイナンバーカードの提示
売却R8.10.2038,000円下松市○○2-3-4
見本 花子 自営業 52歳
R8.10.12買受け書籍コミック「○○○○」1〜5巻 カバーに日焼け5冊500円周南市○○町5-6-7
見本 三郎 学生 20歳
運転免許証の提示
書かなくてよい

記入例③:台帳1ページの見本(様式第15号をもとに、項目名をやさしく言いかえています。人名・住所は見本です)

この見本のポイント
  • 1行目:カメラは1万円以上なので、買ったときに書く。売るときは書かなくてよい。
  • 2行目:時計は、買ったとき(1万円以上)も、売ったときも書く。
  • 3行目:本は500円でも書く(7つの品物だから)。

よくあるまちがい:「特徴」は具体的に

いちばん多い失敗は、特徴の書き方があいまいなことです。あとから見て、その品物だと分かるように書きましょう。

× あいまいな例
カメラ 1台
時計 中古
○ よい例
○○社製 △△-100 黒 製造番号1234567 底面にすりキズ
○○社製 自動巻き 銀色 製造番号A98765

台帳のかわりに使える書類もあります

決まった形の台帳でなくても、次のような書類なら使えます(古物営業法施行規則 第17条第2項)。

  • 必要なことを、取引の順番に書ける形の書類
  • 取引伝票など、取引ごとに必要なことを書ける書類(この場合は、取引の順にとじておく必要があります。同条第3項)

保存は3年間。なくしたら警察へ届け出

最後に書いた日
1年目
2年目
3年目
ここまで保管
  • 紙の台帳:最後に書いた日から3年間、お店(営業所)に置いておく
  • パソコンのデータ:記録した日から3年間、お店ですぐ紙に印刷できる状態で保存する
  • なくした・こわれた・消えたとき:すぐに、お店の場所を受け持つ警察署長に届け出る

(根拠:古物営業法 第18条)

棚に整然と並んだ無地の青いリングファイルと、机の上の取引伝票の束・開いた帳簿のイラスト

書かなかったらどうなる?(罰則)

6か月以下の拘禁刑 または 30万円以下の罰金
  • 書くべきことを書かなかった・うそを書いた
  • 3年間の保存をしなかった
  • なくしたのに届け出なかった・うその届け出をした

(根拠:古物営業法 第33条第1号〜第3号)このほか、営業停止などの行政処分を受けることもあります。

ダウンロード資料(無料)

すぐ使えるExcelの台帳と、確認表を用意しています。

以前のひな形(Excel)はこちら。

よくあるご質問

Q. Excelで管理してもいいですか?

A. はい、できます。ただし、お店ですぐ印刷できるようにしておく必要があります。

Q. ぜんぶの取引を書かないといけませんか?

A. いいえ。買い取りは「1万円以上」と「7つの品物」、売るときは「4つの品物」だけです。迷ったら書いておくと安心です。

Q. 台帳をなくしてしまいました。

A. すぐに、お店の場所を受け持つ警察署に届け出てください。届け出をしないこと自体が罰則の対象です。

山口県で古物商をされる方へ

台帳の付け方は、警察の立ち入りのときにも見られる大事なところです。「うちの場合はどう書けばいい?」というご相談も、お気軽にどうぞ。

古物商許可・金属くずのご相談は、地域の行政書士へ

周南市・下松市・光市を中心に、防府市・柳井市・岩国市など山口県東部に対応。
「許可が要るか分からない」という段階からご相談いただけます。

LINEで相談する 電話 0833-48-5781 フォームで相談

周南行政書士事務所 代表 広戸克義

参考(一次情報)

※本記事は一般的な解説です。個別の事情により取扱いが異なる場合がありますので、実際の運用は管轄の警察署または行政書士にご確認ください。
※2026年10月7日更新