古物商の確定申告、何から準備する?|古物台帳とは別に会計帳簿が要ります
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古物商として一年やってみて、いざ確定申告の時期になって手が止まる。仕入れの記録はある、でも会計の帳簿はない。──これはよくある状態です。
最初にはっきりさせておきたいことが一つあります。古物台帳と、税務のための帳簿は別物です。古物台帳をきちんとつけていても、それだけでは申告の準備になりません。
この記事では、二つの帳簿がどう違うのか、確定申告に向けて何をそろえるのかを整理します。
先にお断り
行政書士は税務相談を業として行うことができません(税理士法52条)。この記事は制度のしくみと準備の手順をご説明するものです。「この支出は経費になるか」「個人と法人でどちらが有利か」といった個別の判断は税理士の領域ですので、そのままお近くの税理士にご相談ください。

二つの帳簿は、目的も期間も違う
| 古物台帳 | 会計帳簿 | |
|---|---|---|
| 根拠 | 古物営業法16条 | 所得税法148条(青色)/232条(白色) |
| 目的 | 盗品の流通を防ぐ | 所得を計算する |
| 書くこと | 取引年月日、品目・数量、特徴、相手方の住所氏名職業年齢、確認措置 | 収入と必要経費に関する事項 |
| 保存 | 最終記載日から3年(法18条1項) | 原則7年(青色の帳簿) |
| 見せる相手 | 警察 | 税務署 |
古物台帳は「誰から何を買ったか」の記録です。金額の記載は必須項目に入っていません。一方で会計帳簿は金額が中心です。この二つは、そもそも書く目的が違うということが分かると、両方要る理由も腑に落ちると思います。
古物台帳の書き方そのものは古物台帳の決まり、書き方をご覧ください。
記帳の義務は、白でも青でもあります
「白色申告なら帳簿は要らない」と思われている方がありますが、条文はそうなっていません。
(事業所得等を有する者の帳簿書類の備付け等)第二百三十二条 その年において不動産所得、事業所得若しくは山林所得を生ずべき業務を行う居住者……(青色申告書を提出することにつき税務署長の承認を受けている者を除く。)は、財務省令で定めるところにより、帳簿を備え付けてこれにこれらの所得を生ずべき業務に係るその年の取引のうち総収入金額及び必要経費に関する事項を財務省令で定める簡易な方法により記録し、かつ、当該帳簿……を保存しなければならない。
青色の承認を受けている人は148条、受けていない人は232条。どちらにしても帳簿は要るという構造です。
青色申告の申請には期限があります
(青色申告の承認の申請)第百四十四条 その年分以後の各年分の所得税につき前条の承認を受けようとする居住者は、その年三月十五日まで(その年一月十六日以後新たに同条に規定する業務を開始した場合には、その業務を開始した日から二月以内)に、……申請書を納税地の所轄税務署長に提出しなければならない。
この期限を過ぎると、その年は青色にできません。開業したらまず日付を確認する、という一点だけは覚えておいてください。
古物商の申告で、特につまずくところ
在庫の扱い
古物商が一番迷うのがここです。仕入れた品は、売れるまで在庫(棚卸資産)として残ります。年末に売れ残っている分は、その年の経費に落ちません。仕入れた金額をすべてその年の経費として集計してしまうと、実際とはまったく違う数字になります。
ですから、年末時点で「何が、いくらで、いくつ残っているか」を数える必要があります。これを棚卸といいます。古物台帳にはこの情報がありませんから、別に記録が要ることになります。
そのほか、古物商特有の記録として次のようなものがあります。
- 古物市場での落札(山で買った場合、1点あたりの原価をどう割り振るか)
- フリマアプリやモールの手数料・送料の記録(入金額と売上額が一致しません)
- 個人から現金で買い取ったときの記録(領収書がもらえないことがあります)
いずれも「あとで思い出す」が効かない類のものです。その場で記録に残す仕組みを最初に作っておくのが、結局は一番早い道になります。
事業用の口座やカードを連携しておくと、仕入れと売上が自動で取り込まれます。取引件数が多い古物商ほど、手で入力する時間が積み上がります。棚卸や在庫の管理に対応した機能を持つものもあります。
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当事務所でお手伝いできること・できないこと
| できること | できないこと |
|---|---|
| 古物商許可の申請、変更届、廃止届 古物台帳の作り方のご説明 営業所や区分の考え方の整理 | 確定申告書の作成 税務署への申告の代理 経費になるかどうかの個別の判断 |
右側は税理士法2条1項に定める税理士業務にあたるため、行政書士は行えません。許可の側でお困りのことがあれば、遠慮なくお声がけください。
参考(一次情報)
※本記事は制度の一般的な解説です。個別の税務のご相談は税理士へ、古物商許可のご相談は当事務所へお願いいたします。
古物商許可・金属くずのご相談は、地域の行政書士へ
周南市・下松市・光市を中心に、防府市・柳井市・岩国市など山口県東部に対応。
「許可が要るか分からない」という段階からご相談いただけます。
LINEで相談する電話 0833-48-5781フォームで相談
周南行政書士事務所 代表 広戸克義
参考(一次情報)
- 古物営業法(e-Gov法令検索) 第5条第4項/第6条/第7条/第8条
- 地方公共団体の手数料の標準に関する政令(e-Gov法令検索) 別表 二十八(古物営業の許可に関する事務)
- 実際の手数料額は各都道府県の手数料条例によります。申請前に管轄の警察署でご確認ください
※本記事は一般的な解説です。個別の事情により結論が変わることがあります。判断に迷う場合は営業所を管轄する警察署または行政書士にご確認ください。
※2026年8月27日更新







