古物商がネットショップを開くときの手続き|URLの届出と、サイトに必ず載せる3つ
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古物商の許可が下りたあと、「ネットでも売りたい」というご相談をよくいただきます。実店舗を持たず、最初からネット中心で始める方も増えました。
ただ、ネット販売には店頭だけでやる場合には出てこない義務が2つあります。ひとつは「使うサイトのURLを届け出ること」、もうひとつは「そのサイトに氏名・許可番号などを表示すること」です。
とくに2つ目は、「うちは一人でやっているから関係ない」と思われがちですが、ネット販売をする古物商は、その例外扱いから外れます。ここを条文で確かめながら、ショップをどこで作るかまで、一本の流れで整理しました。
この記事でわかること
- URLの届出が必要な場合・不要な場合の線引き(法5条1項6号、規則2条の2)
- すでに許可を持っている人がURLを追加するときの様式と期限(法7条2項、規則5条5項・6項)
- サイトに載せる3つの表示と、一人でも免除されない理由(法12条2項・3項、規則13条の2、法8条の2)
- ショップをどこで作るか(無料から始められるサービスの選び方)

まずは全体像|ネット販売でやることは3つ
| やること | 根拠 | いつ |
|---|---|---|
| ① 使うサイトのURLを届け出る | 法5条1項6号 (あとから追加は法7条2項) | 新規は許可申請時 追加は変更の日から14日以内 |
| ② サイトに氏名・公安委員会名・許可証番号を表示 | 法12条2項 | 公開と同時に |
| ③ 取り扱う古物に関する事項も表示 | 法12条3項 | 同上 |
①②③はどれも罰則つきです(法35条1号・2号/いずれも10万円以下の罰金)。難しい手続きではありませんが、後回しにすると忘れてしまいます。
① 使うサイトのURLを届け出る(法5条1項6号)
古物営業法は、許可申請書に書く事項のひとつとして、次のように定めています。
第五条 (略)次に掲げる事項を記載した許可申請書を提出しなければならない。
六 第二条第二項第一号に掲げる営業を営もうとする者にあつては、その営業の方法として、取り扱う古物に関する事項を電気通信回線に接続して行う自動公衆送信(略)により公衆の閲覧に供し、その取引の申込みを国家公安委員会規則で定める通信手段により受ける方法を用いるかどうかの別に応じ、当該古物に関する事項に係る自動公衆送信の送信元を識別するための文字、番号、記号その他の符号又はこれに該当しない旨
古物営業法 第5条第1項第6号(e-Gov 法令検索より引用)
読みにくい条文ですが、要するに「ネットに商品を並べて、対面しない方法で申込みを受けるなら、そのURLを書きなさい。使わないなら『使わない』と書きなさい」ということです。この「国家公安委員会規則で定める通信手段」は、施行規則2条の2で「取引の相手方と対面しないで使用できる通信手段」と定められています。
届出が必要になるのは、どんなときか
| 使い方 | 届出 | 考え方 |
|---|---|---|
| 自分のネットショップ(BASE・カラーミーショップ・ペライチ・自作サイトなど) | 必要 | 自分に割り当てられたURLで商品を並べ、そこから申込みを受けるため |
| 自分専用の店舗ページURLが割り当てられるモール・アプリ | 必要 | 同上。届け出るのは管理画面ではなく、公開される店舗ページのURLです |
| ホームページはあるが、事務所案内だけで商品を並べていない | 不要 | 「取り扱う古物に関する事項」を閲覧に供していないため |
| SNSで告知するだけで、取引は店頭のみ | 不要 | 同上 |
ここは断定できません
個別のフリマアプリやモールについて「どのURLを届け出るか」の運用は、警察本部によって説明が異なることがあります。使うサービス名を伝えて、管轄の警察署(生活安全課)に確認してください。一律の正解を申し上げることはできません。
すでに許可を持っている人が、あとからURLを追加するとき
許可を取ったあとにネット販売を始める場合は、変更の届出になります。
2 古物商又は古物市場主は、第五条第一項各号(第二号を除く。)に掲げる事項に変更があつたときは、主たる営業所又は古物市場の所在地を管轄する公安委員会に、国家公安委員会規則で定める事項を記載した届出書を提出しなければならない。
古物営業法 第7条第2項(e-Gov 法令検索より引用)
URLは第5条第1項第6号の事項ですから、第2号(営業所の名称・所在地)を除いた「各号」に含まれます。第2号だけが「あらかじめ」の事前届出(法7条1項)で、URLは変更があった「あと」の届出です。様式と期限は施行規則5条にあります。
| 項目 | 内容 | 根拠 |
|---|---|---|
| 様式 | 別記様式第6号(変更届出書) | 規則5条5項 |
| 期限 | 変更の日から14日以内 (登記事項証明書を添付すべき場合は20日以内) | 規則5条6項 |
| 提出先 | 営業所の所在地の所轄警察署長を経由して公安委員会へ、1通 | 規則5条6項 |
届出をしなかったり、虚偽の記載をしたりすると10万円以下の罰金です(法35条1号)。
URLの届出そのものについては、古物営業をインターネットで行う場合は届出が必要? でも解説しています。
② サイトに氏名・公安委員会名・許可証番号を表示する(法12条2項)
ここが、この記事でいちばんお伝えしたいところです。
2 古物商又は古物市場主は、その事業の規模が著しく小さい場合その他の国家公安委員会規則で定める場合(その者が特定古物商である場合を除く。)を除き、国家公安委員会規則で定めるところにより、その氏名又は名称、許可をした公安委員会の名称及び許可証の番号(次項において「氏名等」という。)を電気通信回線に接続して行う自動公衆送信により公衆の閲覧に供しなければならない。
古物営業法 第12条第2項(e-Gov 法令検索より引用)
「国家公安委員会規則で定める場合」は、施行規則13条の2に書かれています。
(氏名等の閲覧)第十三条の二 法第十二条第二項の国家公安委員会規則で定める場合は、次の各号のいずれかに該当する場合とする。
一 常時使用する従業者の数が五人以下である場合
二 当該古物商又は古物市場主が管理するウェブサイトを有していない場合
2 法第十二条第二項の規定による公衆の閲覧は、当該古物商又は古物市場主のウェブサイトへの掲載により行うものとする。
古物営業法施行規則 第13条の2(e-Gov 法令検索より引用)
「従業者5人以下だから免除」は、ネット販売をする人には当てはまりません
法12条2項の括弧書きをもう一度見てください。「(その者が特定古物商である場合を除く。)」とあります。この「特定古物商」は、法8条の2で定義されています。
(閲覧等)第八条の二 公安委員会は、第五条第一項第六号に規定する方法を用いる古物商(第十二条第二項及び第三項において「特定古物商」という。)について、次に掲げる事項を電気通信回線に接続して行う自動公衆送信により公衆の閲覧に供するものとする。
一 氏名又は名称 二 第五条第一項第六号に規定する文字、番号、記号その他の符号 三 許可証の番号
古物営業法 第8条の2第1項(e-Gov 法令検索より引用)
つまり、URLを届け出てネット販売をしている古物商=特定古物商です。特定古物商は規則13条の2の除外から外されますので、ひとりで営んでいても、従業者が5人以下でも、サイトへの表示義務があります。
載せるのは、この3つ
| 項目 | 書き方 |
|---|---|
| 氏名または名称 | 個人なら氏名、法人なら会社名 |
| 許可をした公安委員会の名称 | 山口県公安委員会(許可を受けた都道府県) |
| 許可証の番号 | 第○○○○○○○○○○○○号(12桁) |
そのまま真似できる書き方
山口県公安委員会 古物商許可 第431010000000号
広戸 克義
※番号と名称は、お手元の許可証に書かれているとおりに写してください。上の番号は書式を示すための例です。
掲載場所は、フッターや「特定商取引法に基づく表記」のページなど、誰でもたどり着ける場所にします。ログインしないと見られない場所では「公衆の閲覧に供した」ことになりません。
③ 特定古物商は「取り扱う古物に関する事項」も
3 特定古物商は、前項の規定により氏名等を公衆の閲覧に供するときは、氏名等と共に、その取り扱う古物に関する事項を公衆の閲覧に供しなければならない。
古物営業法 第12条第3項(e-Gov 法令検索より引用)
条文は「取り扱う古物に関する事項」としか書いておらず、施行規則にこれ以上細かい定めは置かれていません。どこまで書けばよいかは、条文だけからは一義的に読み取れません。許可申請書に書いた取扱区分(衣類、道具類 など)を氏名等と並べて記載する形が実務では案内されることが多いのですが、この点は不確かですので、管轄警察署の指示に従ってください。
なお、届け出たURL・氏名・許可証番号は、公安委員会の側でも公表されます(法8条の2第1項)。各都道府県警察のサイトで、古物商のURL一覧として公開されています。
①②③のいずれに違反しても10万円以下の罰金です(法35条1号・2号)。
では、ショップはどこで作るか
手続きの話が済んだので、実際の「入れ物」の話です。古物商のネット販売では、次の3つのどれかを選ぶ方が多い印象です。
| タイプ | 向いている人 | URLの届出 |
|---|---|---|
| ネットショップ作成サービス (BASE・カラーミーショップなど) | 自分の店として売りたい/リピーターを育てたい | 必要 |
| ホームページ作成サービス (ペライチなど) | まずは事務所案内と買取の問い合わせ窓口がほしい | 商品を並べるなら必要 案内だけなら不要 |
| フリマ・オークションのモール | 集客を任せたい/少量から試したい | 店舗ページのURLが割り当てられるなら必要 |
どれが正解ということはありません。ただ、「古物商許可 ○○県公安委員会 第○○号」を自分で書き足せるかどうかは、選ぶときに一度確認しておいてください。フッターや自由記述欄を編集できないサービスだと、法12条2項の表示に困ることがあります。
自分の店として構えるなら
初期費用をかけずに商品を並べられます。在庫の一部を移して、売れ方を見てから本格化する、という進め方ができます。
まずは「顔の見えるページ」から
ショップができたら、そろえておくもの
ネットで買い取る場合も、帳簿と本人確認の義務は店頭と同じです。むしろ相手と対面しない分、記録の精度が問われます。
- 古物台帳のExcelテンプレート(無料配布) … 法16条・18条の記載事項に沿った様式です
- 本人確認の決まりや確認方法 … 非対面取引の本人確認は、方法が細かく決まっています
- 古物商プレート(標識) … ネット専業でも、営業所には標識の掲示が必要です(法12条1項)
よくあるご質問
Q. まだ許可を取っていません。先にショップだけ作ってもいいですか?
A. 作るだけなら問題ありません。ただし古物の売買を始める前に許可が必要です。無許可で古物営業を営むと、三年以下の拘禁刑または百万円以下の罰金です(法31条1号)。また、許可申請書にURLを書く欄がありますので、ショップのURLが決まってから申請したほうが、あとの変更届が省けます。
Q. 複数のサイトで売っています。全部届け出るのですか?
A. 法5条1項6号は「取り扱う古物に関する事項を自動公衆送信により公衆の閲覧に供し、取引の申込みを受ける方法」を用いるサイトを対象にしています。その形にあてはまるURLは、すべて届出の対象と考えるのが安全です。申請書・変更届には複数のURLを記載できます。
Q. ショップを閉じたときも届出が要りますか?
A. 必要です。「その方法を用いるかどうかの別」も第6号の記載事項ですから、用いなくなったことも第5条第1項各号の事項の変更にあたると考えられ、法7条2項の届出(変更の日から14日以内/規則5条6項)になります。ただし条文が明示しているわけではないので、閉店の時期とあわせて管轄警察署にご確認ください。
Q. 自宅を営業所にしています。ネット専業でも標識は要りますか?
A. 必要です。法12条1項は営業所ごとに標識の掲示を求めており、ネット専業でも例外はありません。サイトへの表示(同条2項)は、標識の代わりではなく別の義務です。
Q. 「特定古物商」になると、ほかに変わることはありますか?
A. この記事で扱った法12条2項・3項のほか、公安委員会が氏名・URL・許可証番号を公表します(法8条の2)。裏を返せば、届け出た内容は誰でも確認できる状態になりますので、屋号や連絡先の書き方は最初に整えておくとよいと思います。
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参考(一次情報)
- 古物営業法(e-Gov 法令検索) … 第5条第1項第6号、第7条第2項、第8条の2、第12条、第35条
- 古物営業法施行規則(e-Gov 法令検索) … 第2条の2、第5条第5項・第6項、第13条の2
- 山口県警察|古物営業の各種手続き・様式
※本記事は一般的な解説です。個別の事情により取扱いが異なる場合がありますので、具体的な手続きは管轄警察署または当事務所にご確認ください。
古物商許可・金属くずのご相談は、地域の行政書士へ
周南市・下松市・光市を中心に、防府市・柳井市・岩国市など山口県東部に対応。
「許可が要るか分からない」という段階からご相談いただけます。
LINEで相談する電話 0833-48-5781フォームで相談
周南行政書士事務所 代表 広戸克義
参考(一次情報)
- 古物営業法(e-Gov法令検索) 第5条第4項/第6条/第7条/第8条
- 地方公共団体の手数料の標準に関する政令(e-Gov法令検索) 別表 二十八(古物営業の許可に関する事務)
- 実際の手数料額は各都道府県の手数料条例によります。申請前に管轄の警察署でご確認ください
※本記事は一般的な解説です。個別の事情により結論が変わることがあります。判断に迷う場合は営業所を管轄する警察署または行政書士にご確認ください。
※2026年8月27日更新







