ネットショップに何を書けばいい?|古物商の表示義務と特商法の表記

この記事には広告が含まれます。広告表記について

ネットショップを開いたものの、フッターに何を書けばいいのか分からない。古物商の方から、本当によくいただく質問です。

迷う原因ははっきりしています。ネットで中古品を売る人には、性格の違う二つの法律の表示義務がかかるからです。古物営業法と、特定商取引法。どちらか片方だけでは足りません。

この記事では、その二つを条文で確認したうえで、実際にショップのどこへ何を書けばいいかまで整理します。

先に結論

  • 古物営業法…氏名または名称・許可をした公安委員会の名称・許可証の番号の3点を、自分のウェブサイトに掲載する(法12条2項)
  • 特定商取引法…販売価格、送料、支払の時期と方法、引渡時期、返品の可否などを広告に表示する(法11条・規則23条)
  • 「従業者が5人以下だから免除」という話は聞いたことがあるかもしれませんが、ネットで売る古物商には及ばない場合があります。ここが一番の落とし穴です
ノートパソコンと書類・小さな看板が並ぶ机の水彩イラスト
許可番号は運営者情報に、取引条件は特商法のページに。置き場所を分けて決めます。

表示するものは二種類ある

整理すると、こういう関係になります。

根拠何のための表示か主な中身
古物営業法12条2項その人が本当に許可を持った古物商かを、買う人が確かめられるようにするため氏名・名称/公安委員会名/許可証番号
特定商取引法11条通信販売のトラブルを防ぐため(古物商に限らず、通販をする人すべて)価格・送料・支払方法・引渡時期・返品の可否など

目的が違うので、両方書くことになります。よくある「特商法ページを作ったから大丈夫」は、古物営業法の側が抜けている状態です。

古物営業法|許可番号などを自分のサイトに載せる

条文はこうなっています。

(標識の掲示等)第十二条 古物商又は古物市場主は、それぞれ営業所若しくは仮設店舗又は古物市場ごとに、公衆の見やすい場所に、国家公安委員会規則で定める様式の標識を掲示しなければならない。

2 古物商又は古物市場主は、その事業の規模が著しく小さい場合その他の国家公安委員会規則で定める場合(その者が特定古物商である場合を除く。)を除き、国家公安委員会規則で定めるところにより、その氏名又は名称、許可をした公安委員会の名称及び許可証の番号(次項において「氏名等」という。)を電気通信回線に接続して行う自動公衆送信により公衆の閲覧に供しなければならない。

1項が、営業所に掲げるプレート(標識)の話。2項が、ウェブサイトに載せる話です。載せるのは次の3点です。

  • 氏名または名称
  • 許可をした公安委員会の名称(例:山口県公安委員会)
  • 許可証の番号(12桁)

プレートそのものについては古物商プレートはどこに置けばいいの?とプレートは100均で作れる?で詳しく書いています。

「5人以下だから免除」は、どこまで通じるか

免除の中身は施行規則にあります。

(氏名等の閲覧)第十三条の二 法第十二条第二項の国家公安委員会規則で定める場合は、次の各号のいずれかに該当する場合とする。

一 常時使用する従業者の数が五人以下である場合

二 当該古物商又は古物市場主が管理するウェブサイトを有していない場合

2 法第十二条第二項の規定による公衆の閲覧は、当該古物商又は古物市場主のウェブサイトへの掲載により行うものとする。

ここだけ読むと「うちは一人だから関係ない」と思えます。ところが、法12条2項には(その者が特定古物商である場合を除く。)という括弧書きが入っています。特定古物商にあたる人は、この免除の対象から外れる、という意味です。

特定古物商とは

(閲覧等)第八条の二 公安委員会は、第五条第一項第六号に規定する方法を用いる古物商(第十二条第二項及び第三項において「特定古物商」という。)について、次に掲げる事項を電気通信回線に接続して行う自動公衆送信により公衆の閲覧に供するものとする。

一 氏名又は名称 二 第五条第一項第六号に規定する文字、番号、記号その他の符号 三 許可証の番号

法5条1項6号の方法とは、許可申請のときに届け出る「ホームページを使って取引をする」方法のことです。つまり、自分のサイトのURLを届け出て古物の取引をしている人は特定古物商にあたり、従業者が何人であっても表示義務が残ります。

さらに、特定古物商には一つ多く求められます。

第十二条 3 特定古物商は、前項の規定により氏名等を公衆の閲覧に供するときは、氏名等と共に、その取り扱う古物に関する事項を公衆の閲覧に供しなければならない。

取り扱う古物の区分(13区分のどれか)も、あわせて書いておくということです。

なお、ホームページで取引をするときは、そのURLを届け出る必要があります。詳しくは古物営業をインターネットで行う場合は届出が必要?をご覧ください。

特定商取引法|通信販売の広告表示

こちらは古物商に限らず、通信販売をする人すべてにかかります。

(通信販売についての広告)第十一条 販売業者又は役務提供事業者は、通信販売をする場合の商品若しくは特定権利の販売条件又は役務の提供条件について広告をするときは、主務省令で定めるところにより、当該広告に、当該商品若しくは当該権利又は当該役務に関する次の事項を表示しなければならない。(以下略)

法11条各号と、施行規則23条各号を合わせると、書くのはおおむね次のとおりです。

項目根拠
販売価格(送料が価格に含まれないときは価格と送料)法11条1号
代金の支払の時期および方法法11条2号
商品の引渡時期法11条3号
申込みの期間の定めがあるときは、その旨と内容法11条4号
申込みの撤回または解除に関する事項(返品の可否と条件)法11条5号
販売業者の氏名または名称、住所および電話番号規則23条1号
法人でネット広告をする場合は、代表者または通信販売の責任者の氏名規則23条2号
販売価格以外に負担すべき金銭があるときは、その内容と額規則23条4号
契約内容に適合しない場合の責任について定めがあるときは、その内容規則23条5号

個人事業の方が気にされるのが、住所と電話番号です。原則として実際の住所・番号を書くことになります。自宅を営業所にしている場合の考え方は自宅を営業所として登録できる?にまとめています。

実際にどこへ書くか

  • 古物営業法の3点…フッター、または「運営者情報」ページ。どのページからも1クリックで届く場所へ
  • 特商法の表示…「特定商取引法に基づく表記」という独立ページを作り、フッターからリンクする

多くのショップ作成サービスには、この二つを入れる場所が用意されています。

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まず1つ、実際に作ってみる

初期費用をかけずに商品を並べられます。フッターの自由記述欄に許可番号の3点を、専用ページに特商法の表示を置く、という形にできます。

初期費用・月額利用料0円からはじめるネットショップ【BASE】

※機能や料金は各社のページでご確認ください。当事務所が内容を保証するものではありません。

※上記は広告です。当事務所と各社に資本関係はありません。解説の内容は広告の有無に左右されません。

よくある勘違い

この3つは要注意

  • 「特商法ページを作ったから古物営業法もOK」…別の法律です。許可番号の表示は特商法の表示事項に入っていません
  • 「一人でやっているから免除」…ホームページを使って取引する届出をしていれば、特定古物商として表示義務が残ります
  • 「プレートの写真を貼れば足りる」…プレートは営業所に掲げるもの。ウェブサイトの表示は別に必要です

参考(一次情報)

※本記事は一般的な解説です。個別の事情により結論が変わることがありますので、判断に迷われたときはお気軽にご相談ください。

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周南行政書士事務所 代表 広戸克義

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※本記事は一般的な解説です。個別の事情により結論が変わることがあります。判断に迷う場合は営業所を管轄する警察署または行政書士にご確認ください。

※2026年8月27日更新