古物商プレートは100均やホームセンターで作れる?|規格を条文で確認する

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「古物商のプレートって、100円ショップの材料で作れませんか」。許可が下りたばかりの方から、実際にいただくご質問です。

結論から申し上げると、規格を満たしていれば自作しても違反にはなりません。法令は「この様式で」と定めているだけで、「業者から買いなさい」とは書かれていないからです。

ただ、実際に100均の材料で規格どおりのものを作ろうとすると、思ったより難しいことに気づきます。この記事では、条文で「何が求められているのか」をはっきりさせたうえで、自作・ホームセンター・既製品のどれを選ぶかを、費用と手間の両面から整理します。

先に結論

  • 自作は可能。ただし材質・色・寸法・記載事項の4つを外すと掲示義務を果たしたことになりません
  • 100均の材料でつまずくのは「紺色地に白文字」と「金属・プラスチック並みの耐久性」の2点
  • 市販品は1,000円前後から。自作の材料費と手間を考えると、買ったほうが早いケースがほとんどです
  • 掲示していないと10万円以下の罰金(法35条2号)
白い木の机に置かれた紺色の古物商プレートと、定規やペンなどの道具の水彩イラスト
古物商プレートは、自分で作るか業者に頼むか。まずは規格を知ることから。

そもそも、なぜプレートが必要なのか

(標識の掲示等)第十二条 古物商又は古物市場主は、それぞれ営業所若しくは仮設店舗又は古物市場ごとに、公衆の見やすい場所に、国家公安委員会規則で定める様式の標識を掲示しなければならない。

古物営業法 第12条第1項(e-Gov 法令検索より引用)

「標識」というのが法令上の呼び方で、世間では「古物商プレート」と呼ばれています。営業所ごとに必要で、自宅を営業所にしている場合も例外はありません。ネット販売だけの方も同じです。

掲示の目的は、盗品を持ち込もうとする人に「ここは許可を受けた店だ」と分からせることと、取引の相手方が事業者を確認できるようにすることにあります。だからこそ「公衆の見やすい場所」と書かれています。

様式は法令でどう決まっているか

(標識の様式)第十一条 法第十二条の国家公安委員会規則で定める様式は、別記様式第十三号若しくは別記様式第十四号又は次条第一項の規定による承認を受けた様式とする。

古物営業法施行規則 第11条(e-Gov 法令検索より引用)

つまり、選べるのは次の3つだけです。

種類誰が使うか
別記様式第13号古物商(一般的にはこれ)
別記様式第14号古物市場主
承認を受けた様式防犯協会など、国家公安委員会が定める団体の構成員が共通して使うもの(規則12条)。承認された様式は官報で公示されます

市販品に「公安委員会指定」と書かれていることがありますが、正確には公安委員会が個別の商品を指定しているわけではありません。様式に合っているかどうかがすべてです。

別記様式第13号の中身

様式そのものは図で示されているため、条文の文章だけでは寸法まで読み取れません。各都道府県警察が公表している内容が確実です。警視庁の公表内容は次のとおりです。

項目内容
材質金属、プラスチック又はこれらと同程度以上の耐久性を有するもの
色紺色地に白文字
寸法縦8cm × 横16cm
上段主として取り扱う古物の区分に「商」を付けたもの(例:道具商、衣類商、美術品商)
中段許可証の番号(12桁)
下段氏名または名称
別記様式第13号の規格(紺色地に白文字・縦8cm×横16cm)
別記様式第13号の規格(紺色地に白文字・縦8cm×横16cm)

出典:警視庁「標識の様式」(本記事末尾にリンク)。お住まいの都道府県警察のページもあわせてご確認ください。

100均の材料で作れるか、項目ごとに検証する

ダイソーやセリアで手に入るもので、4つの条件をどこまで満たせるかを見ていきます。

条件100均で満たせるかつまずくところ
寸法 8×16cm○アクリル板やプラ板をカッターで切れば寸法は出せます
材質(金属・プラスチック等)△薄いプラ板は反り・割れが出ます。「同程度以上の耐久性」と言えるかが微妙。紙・厚紙・ラミネートは不可
紺色地に白文字×に近いここが最大の壁。紺色のシートに白で文字を入れる手段が要ります
記載事項○内容自体は許可証を写すだけ

いちばん難しいのは「紺色地に白文字」

白い紙に紺色で書くのは簡単ですが、求められているのは逆です。紺色の下地に、白い文字を乗せなければなりません。方法としては次のようなものがあります。

  • 紺色のカッティングシートを貼り、白の転写シールで文字を作る
  • 紺色の板に、白のペイントマーカーで手書きする
  • 白のラベルシールに文字を印刷し、文字だけを切り抜いて貼る

どれも作業としては可能です。ただ、手書きは1文字でも歪むと全体が素人っぽくなりますし、転写シールで12桁の番号と氏名を並べるのは、想像以上に時間がかかります。お客様や警察の方の目に触れる場所に掲げるものだと考えると、ここは悩みどころです。

ホームセンターならどうか

ホームセンターには紺色のアクリル板やカッティングシート、白の転写文字が揃っています。材質と色の条件はクリアしやすくなります。ただし材料費を積み上げると、アクリル板だけで数百円、シートと文字を足すと1,000円を超えることも珍しくありません。そこに切断と貼り付けの手間が加わります。

もうひとつの注意点|余計なことを書いてはいけない

(他事記載の禁止)第十三条 法第十一条第二項の行商従業者証又は法第十二条の標識には、犯罪の防止又はその被害の迅速な回復に特に資すると認められる場合を除き、第十条又は第十一条の規定により表示することとされている文字又は標章以外の文字又は標章を、記載、はり付けその他の方法により表示してはならない。

古物営業法施行規則 第13条(e-Gov 法令検索より引用)

自作するとき、つい入れたくなるのが屋号・ロゴ・電話番号・QRコードです。これらは規則13条で禁止されています。「おしゃれなプレートにしたい」というご相談もありますが、標識にデザインの自由はありません。装飾したいものは、標識とは別の看板として用意してください。

下段に書くのは許可証に記載された氏名または名称です。個人事業主の方が屋号を書いてしまい、作り直しになった例を実際に見ています。

自作・ホームセンター・既製品を比べる

費用はほぼ同じ。分かれ目は手間の差です
費用はほぼ同じ。分かれ目は手間の差です
費用の目安手間仕上がり
100均で自作数百円大(切断・貼付・文字入れ)手作り感が残りやすい
ホームセンターで自作1,000円前後〜中〜大材料次第
既製品を買う1,000円前後〜小(注文して届くのを待つだけ)規格どおり

費用がほぼ変わらないため、手間の差がそのまま判断の分かれ目になります。工作が好きな方や、すぐに材料が手元にある方は自作でよいと思います。そうでなければ、既製品を買って本業の準備に時間を使ったほうが合理的です。

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規格どおりに作られたものを買う

注文時に「区分・許可番号・氏名」を伝えれば、彫刻または印刷して届きます。壁掛け用の穴あけ、スタンド、マグネットなどを選べるものが多く、営業所の状況に合わせられます。


買ったあと・作ったあとにやること

掲示する場所

法12条1項は「公衆の見やすい場所」としています。自宅を営業所にしている場合、玄関の内側や事務スペースの壁など、来訪した方が確認できる場所に掲げます。引き出しにしまっておくのは掲示したことになりません。

迷いやすい点は 古物商プレートはどこに置けばいいの? でも解説しています。

ネット販売をするなら、サイトへの表示も別に必要

標識の掲示(法12条1項)と、ウェブサイトへの氏名等の表示(法12条2項)は別の義務です。プレートを掲げたからサイトの表示は不要、とはなりません。しかも、URLを届け出てネット販売をする古物商(特定古物商)は、従業者が5人以下でも表示義務が免除されない仕組みになっています。

くわしくは 古物商がネットショップを開くときの手続き をご覧ください。

よくあるご質問

Q. プレートを掲げていないと、どうなりますか。

A. 法12条に違反した者は10万円以下の罰金です(法35条2号)。立入り(法22条1項)の際に指摘されることがあります。

Q. 取り扱う区分が複数あります。上段は全部書きますか。

A. 上段に書くのは主として取り扱う古物の区分ひとつです。許可上は13区分のうち複数を届け出ていても、標識に並べて書くことは想定されていません。どれを「主として」とするかで迷うときは、管轄警察署にご確認ください。

Q. 法人です。下段は会社名ですか、代表者名ですか。

A. 許可証に記載された名称、つまり法人名です。個人の場合は氏名で、屋号は書けません(規則13条)。

Q. 営業所が2か所あります。1枚を使い回せますか。

A. できません。法12条1項は「営業所ごとに」と定めていますので、営業所の数だけ必要です。仮設店舗(露店・催事)を出すときも掲示が必要です。

Q. 氏名や許可番号が変わりました。作り直しですか。

A. はい、記載内容が実際と違う状態は掲示義務を果たしたことになりません。変更届(法7条)を出したうえで、標識も作り直してください。

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参考(一次情報)

※本記事は一般的な解説です。標識の細かな運用は都道府県警察により案内が異なることがありますので、実際に作成・購入される前に管轄警察署または当事務所にご確認ください。

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周南行政書士事務所 代表 広戸克義

参考(一次情報)

※本記事は一般的な解説です。個別の事情により結論が変わることがあります。判断に迷う場合は営業所を管轄する警察署または行政書士にご確認ください。

※2026年8月27日更新