その品、仕入れて大丈夫?|不正品の疑いと申告義務、1万円未満でも確認が要る7品目
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「安く出ていたので買ったのですが、これ、大丈夫でしょうか」。仕入れてから不安になる、という順番でご相談をいただくことがあります。
古物商には、おかしいと思ったら警察官に申告するという義務が条文で定められています。買ってからではなく、買おうとする段階の話です。
この記事では、仕入れの場面で条文が何を求めているのかを確認します。仕入れ値の付け方ではなく、手を出してはいけない品の見分け方のほうです。
先に結論
- 不正品の疑いがあると思ったら、直ちに警察官に申告します(法15条3項)
- 1万円未満なら本人確認は不要ですが、7つの品目は金額に関係なく必要です(規則16条2項)
- 令和7年10月から、エアコン室外機・ヒートポンプ・電線・金属製グレーチングがその7つに加わりました
- 警察から品触れが来たら、6か月保存し、該当する物を持っていたら直ちに届け出ます(法19条)

おかしいと思ったら、その場で申告する
(確認等及び申告)第十五条 3 古物商は、古物を買い受け、若しくは交換し、又は売却若しくは交換の委託を受けようとする場合において、当該古物について不正品の疑いがあると認めるときは、直ちに、警察官にその旨を申告しなければならない。
「買い受け……ようとする場合」と書かれています。買ったあとではなく、買おうとしている段階の義務です。
では、どういうときに疑うのか。条文には書かれていませんが、実務では次のような点が挙げられます。
立ち止まったほうがよい場面
- 相場を明らかに下回る値段で、売り手が値段にこだわらない
- 身分証の提示を渋る、住所と持っている物がちぐはぐ
- 新品同様の物が箱・保証書・付属品なしで大量に出る
- 同じ型番の物を、同じ人が繰り返し持ち込む
- 刻印・製造番号が削られている、消されている
- 年齢に不相応な高額品(未成年の場合は特に慎重に)
「疑わしいけれど、断ればいいだけでは」と思われるかもしれません。条文は断るだけでなく申告まで求めています。ここは押さえておいてください。
1万円未満でも本人確認が要る7品目
相手方の確認は法15条1項の義務ですが、少額取引は免除されます。
第十五条 2 前項の規定にかかわらず、次に掲げる場合には、同項に規定する措置をとることを要しない。
一 対価の総額が国家公安委員会規則で定める金額未満である取引をする場合(特に前項に規定する措置をとる必要があるものとして国家公安委員会規則で定める古物に係る取引をする場合を除く。)
括弧書きが例外です。金額と品目は施行規則16条にあります。
(確認等の義務を免除する古物等)第十六条 法第十五条第二項第一号の国家公安委員会規則で定める金額は、一万円とする。
2 法第十五条第二項第一号の国家公安委員会規則で定める古物は、次の各号に該当する古物とする。
一 自動二輪車及び原動機付自転車(これらの部分品(ねじ、ボルト、ナット、コードその他の汎用性の部分品を除く。)を含む。)
二 エアコンディショナーの室外ユニット及び電気温水機器のヒートポンプ
三 専ら家庭用コンピュータゲームに用いられるプログラムを記録した物
四 光学的方法により音又は影像を記録した物
五 電線 六 グレーチング(金属製のものに限る。) 七 書籍
この7つは100円で買っても本人確認が必要です。二号・五号・六号は令和7年10月1日から加わったもので、金属盗の増加を受けた改正です。エアコンの室外機や電線を買い取る可能性があるなら、必ず押さえてください。
確認の具体的な方法は本人確認の決まりや確認方法にまとめています。
金属くずは、山口県ではさらに別の規制があります
山口県内で金属スクラップを買い取る場合、古物営業法とは別に県条例の回収業許可や、令和8年6月からの特定金属くず買受業の届出が関わってきます。金属くず・特定金属のページもあわせてご確認ください。
品触れが来たら
警察から「こういう物が盗まれている」という書面が届くことがあります。これが品触れです。
(品触れ)第十九条 2 古物商又は古物市場主は、前項の規定により発せられた品触れを受けたときは、当該品触れに係る書面に到達の日付を記載し、その日から六月間これを保存しなければならない。
3 古物商は、品触れを受けた日にその古物を所持していたとき、又は前項の期間内に品触れに相当する古物を受け取つたときは、その旨を直ちに警察官に届け出なければならない。
やることは3つです。(1)到達日を書き入れる (2)6か月保存する (3)該当する物を持っていたら直ちに届け出る。電子で届いた品触れは日付の記載が不要ですが、保存と届出は同じです。
実務では、品触れ専用のファイルを1冊作り、到達日を書いて綴じていく形が確実です。
仕入れの上限を決めるには、売値を知っておく
「安すぎる」と気づけるかどうかは、結局その品の相場を知っているかにかかっています。相場を知らないと、疑うべき安さなのか、単に運がよかったのかの区別がつきません。
フリマアプリに並んでいるのは「売りたい価格」で、成約価格ではありません。買取専門店の査定額は業者が実際にその金額で買う数字なので、下限の目安になります。
疑うべき安さかどうかは、その品の相場を知っていて初めて分かります。専門店の査定額は業者が実際に買う金額なので、下限の目安になります。
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参考(一次情報)
※本記事は一般的な解説です。個別の事情により結論が変わることがありますので、判断に迷われたときはお気軽にご相談ください。
古物商許可・金属くずのご相談は、地域の行政書士へ
周南市・下松市・光市を中心に、防府市・柳井市・岩国市など山口県東部に対応。
「許可が要るか分からない」という段階からご相談いただけます。
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周南行政書士事務所 代表 広戸克義
参考(一次情報)
- 古物営業法(e-Gov法令検索) 第5条第4項/第6条/第7条/第8条
- 地方公共団体の手数料の標準に関する政令(e-Gov法令検索) 別表 二十八(古物営業の許可に関する事務)
- 実際の手数料額は各都道府県の手数料条例によります。申請前に管轄の警察署でご確認ください
※本記事は一般的な解説です。個別の事情により結論が変わることがあります。判断に迷う場合は営業所を管轄する警察署または行政書士にご確認ください。
※2026年8月27日更新







