専門外の在庫はどう処分する?|買取業者に売るときの帳簿の扱い

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「セットで安く出ていたので、まとめて買った。ただ、半分は自分の専門外だった」。古物商を続けていると、必ずぶつかる場面です。

専門外の物は、写真を撮るのも説明を書くのも時間がかかります。相場が分からないので値付けにも迷います。そうしているうちに、棚の一角が動かない在庫で埋まっていきます。

こういうときは、その分野の専門店にまとめて売ってしまうのが早いことがあります。この記事では、その判断の目安と、忘れられがちな帳簿の扱いを整理します。

本や食器が入った段ボール箱と空の棚が並ぶ、在庫整理の水彩イラスト
専門外の在庫は、抱え込むより早めに動かしたほうが結果的に得をします。

3つの選択肢を比べる

方法手取り手間向いている場面
自分の販路で売るいちばん大きい大(撮影・記載・梱包・発送・問い合わせ対応)相場が分かる分野、点数が少ない
フリマアプリに出す中(手数料と送料が引かれる)中。売れるまで時間が読めない需要が読める物、1点あたりが大きい
専門店にまとめて売る小さい(業者の利益分が引かれる)小(箱に詰めて送るだけ)専門外、点数が多い、早く現金化したい

手取りだけを見れば自分で売るのがいちばんです。ただ、売れない在庫を抱える期間もコストです。保管場所の家賃、探す手間、資金が寝ること。専門外の10点に何時間もかけるより、まとめて売って本業の仕入れに時間を回したほうが、結果的に利益が出ることは珍しくありません。

忘れられがちな帳簿の扱い

買取業者に売るのも「引渡し」です。相手が業者であっても、古物営業法の対象から外れるわけではありません。

(帳簿等への記載等)第十六条 古物商は、売買若しくは交換のため、又は売買若しくは交換の委託により、古物を受け取り、又は引き渡したときは、その都度、次に掲げる事項を、帳簿若しくは国家公安委員会規則で定めるこれに準ずる書類(略)に記載をし、又は電磁的方法により記録をしておかなければならない。ただし、前条第二項各号に掲げる場合及び当該記載又は記録の必要のないものとして国家公安委員会規則で定める古物を引き渡した場合は、この限りでない。

古物営業法 第16条(e-Gov 法令検索より引用)

注目すべきはただし書です。「国家公安委員会規則で定める古物を引き渡した場合」は記載が要りません。その中身が規則18条です。

(帳簿等への記載等の義務を免除する古物)第十八条 法第十六条ただし書の国家公安委員会規則で定める古物は、次の各号に該当する古物以外の古物とする。

一 美術品類 二 時計・宝飾品類 三 自動車(その部分品を含む。) 四 自動二輪車及び原動機付自転車(これらの部分品(対価の総額が第十六条第一項で定める金額未満で取引されるものを除く。)を含む。)

古物営業法施行規則 第18条第1項(e-Gov 法令検索より引用)

読み方に注意|二重否定です

「次の各号に該当する古物以外の古物」が免除の対象です。つまり、引き渡し(売却)を帳簿に記載しなければならないのは、次の4区分だけです。

  • 美術品類
  • 時計・宝飾品類
  • 自動車(部分品を含む)
  • 自動二輪車・原付(部分品を含む。ただし部分品は1万円未満のものを除く)

これ以外の古物、たとえば衣類・カメラ・パソコン・書籍・道具類などは、売ったときの記載は不要です。ただし、買い取ったとき(受け取り)の記載は別の話で、こちらは原則として必要です。混同しないようご注意ください。

帳簿の書き方は 古物台帳の書き方と記入例、様式は Excelテンプレート(無料) をお使いください。

売却時に記載が必要なのは4区分だけ。買い取ったときの記載は別に必要です
売却時に記載が必要なのは4区分だけ。買い取ったときの記載は別に必要です

ジャンル別の売り先

宅配買取なら、まとめて箱に詰めて送るだけです。送料・査定料が無料のところが多く、金額に納得できなければ返送してもらえます(返送料の扱いは業者により異なります)。

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専門外の在庫をまとめて動かす

抱え込むより早めに動かしたほうが、結果的に得をします。ジャンルごとの専門店に出すと、まとめて手放せます。

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※相場を知るための利用です。売る気のない物を大量に送るのは各社に迷惑がかかります。1〜2社・数点で十分です。他人から預かった物や、仕入れた在庫を私物として出すことはできません。

上記はアフィリエイトリンクを含みます。当事務所は各社と資本関係になく、法令解説は広告の有無に関わらず同じ内容です。買取価格・サービス内容は変更されることがありますので、詳細は各公式サイトでご確認ください。

売る前にやっておくこと

やること理由
仕入れたときの記載が済んでいるか確認買い取ったときの記載は原則必要です(法16条)。売却前に漏れがないか点検します
写真を残す法令上の義務ではありませんが、後日の照会に備えて品目・特徴が分かる記録があると安心です
4区分に当たるかを確認美術品類・時計宝飾品類・自動車・自動二輪車は売却時も記載が必要です(規則18条1項)
帳簿は3年間保存最終記載の日から3年間の保存義務があります(法18条1項)

よくあるご質問

Q. 買取業者に売るとき、古物商許可は関係ありますか。

A. 売る側が古物商であっても、売却そのものに許可は不要です。許可が必要なのは「売るために仕入れる」ときです。ただし在庫の売却も古物営業の一部ですので、上記の帳簿の扱いは適用されます。

Q. 相手が業者でも、本人確認は必要ですか。

A. 法15条1項の確認義務は、古物商が古物を「買い受け」たり、交換したり、委託を受けたりするときの義務です。自分が売る側に回る場合の相手方確認を求める規定ではありません。もっとも、相手が古物商の許可を持っているかを確認しておくことは、実務上の自衛として意味があります。許可番号の調べ方 をご覧ください。

Q. 買値より安くしか売れません。損切りしてよいものでしょうか。

A. 経営判断ですので一般論しか申し上げられませんが、「売れない在庫は資金が寝ている状態」です。保管コストと機会損失を含めて考えると、早めに現金化して次の仕入れに回したほうが総額では有利になる場面はあります。

Q. まとめ買いで専門外が混ざるのを避けるには。

A. 完全には避けられませんが、取り扱う区分を広めに届け出ておくと、混ざったときに扱いやすくなります。区分の考え方は 13区分、どれで許可を取る? をご覧ください。

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参考(一次情報)

※本記事は一般的な解説です。個別の取引における帳簿の要否は、取り扱う古物の区分や取引の形態により異なります。判断に迷う場合は管轄警察署または当事務所にご確認ください。

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周南行政書士事務所 代表 広戸克義

参考(一次情報)

※本記事は一般的な解説です。個別の事情により結論が変わることがあります。判断に迷う場合は営業所を管轄する警察署または行政書士にご確認ください。

※2026年8月27日更新