中古車・バイクの売買に古物商許可は必要?|帳簿の特則に注意

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「知り合いの車を買って、直して、売る。これって古物商の許可は要りますか」──車やバイクは単価が大きいぶん、ここを曖昧にしたまま始めてしまうと後が怖い分野です。

結論から言うと、反復継続して中古車・中古バイクを売買するなら、古物商許可が必要です。そのうえで、車と二輪には他の区分にはない帳簿の特則があります。この特則を知らないまま何台か回してしまう方が、実際にいらっしゃいます。

この記事では、区分の選び方から、帳簿でどこが違うのかまでを条文で確認します。

先に結論

  • 区分は4号「自動車」と5号「自動二輪車及び原動機付自転車」。四輪と二輪は別の区分です
  • ほとんどの区分は「売るとき」の帳簿記載が免除されますが、自動車と二輪は免除されません(規則18条1項)
  • ただし自動車を売った相手方の住所・氏名等は記載不要という、さらに細かい特則があります(法16条4号・規則18条2項)
  • 古物商許可とは別に、名義変更(移転登録)は15日以内です(道路運送車両法13条1項)
オートバイの模型・車のキー・書類が並ぶ事務机の水彩イラスト
四輪と二輪は別の区分。帳簿も他の区分とは扱いが違います。

まず区分を選ぶ

古物の区分は施行規則2条で13に分けられています。車まわりは次の3つです。

(古物の区分)第二条 法第五条第一項第三号の国家公安委員会規則で定める区分は、次のとおりとする。

四 自動車(その部分品を含む。)

五 自動二輪車及び原動機付自転車(これらの部分品を含む。)

六 自転車類(その部分品を含む。)

ここで押さえておきたいのは「その部分品を含む」という括弧書きです。車体だけでなく、ホイール、マフラー、エアロパーツ、純正の外し物といった部品も同じ区分に入ります。部品だけを扱うつもりでも、区分としては「自動車」または「自動二輪車及び原動機付自転車」を選ぶことになります。

四輪と二輪の両方を扱うなら、両方を申請します。区分は複数選べます。選び方の考え方は古物商の13区分、どれで許可を取る?にまとめました。

帳簿の特則|車と二輪だけ「売るとき」も書く

ここが本題です。帳簿の義務は法16条にあります。

(帳簿等への記載等)第十六条 古物商は、売買若しくは交換のため、又は売買若しくは交換の委託により、古物を受け取り、又は引き渡したときは、その都度、次に掲げる事項を、帳簿若しくは国家公安委員会規則で定めるこれに準ずる書類(以下「帳簿等」という。)に記載をし、又は電磁的方法により記録をしておかなければならない。ただし、前条第二項各号に掲げる場合及び当該記載又は記録の必要のないものとして国家公安委員会規則で定める古物を引き渡した場合は、この限りでない。

本文だけ読むと、受け取ったとき(買ったとき)も引き渡したとき(売ったとき)も書くように読めます。免除されるのはただし書のほうです。その中身が規則18条です。

(帳簿等への記載等の義務を免除する古物)第十八条 法第十六条ただし書の国家公安委員会規則で定める古物は、次の各号に該当する古物以外の古物とする。

一 美術品類 二 時計・宝飾品類 三 自動車(その部分品を含む。) 四 自動二輪車及び原動機付自転車(これらの部分品(対価の総額が第十六条第一項で定める金額未満で取引されるものを除く。)を含む。)

「次の各号に該当する古物以外の古物」という二重否定なので、読み違えやすいところです。整理するとこうなります。

区分買ったとき売ったとき
美術品類/時計・宝飾品類/自動車/自動二輪車・原付記載する記載する
それ以外の9区分(衣類、写真機類、書籍など)記載する免除される

つまり、車や二輪を扱うと入りと出を両方書くことになります。売ったら帳簿は終わり、という感覚のまま始めると、後から半年分を書き起こす羽目になります。帳簿の書き方そのものは古物台帳の決まり、書き方をご覧ください。

自動車には、さらに細かい特則がある

法16条4号を、括弧書きまで読んでみます。

四 相手方(国家公安委員会規則で定める古物を引き渡した相手方を除く。)の住所、氏名、職業及び年齢

この「規則で定める古物」が何かというと、

第十八条 2 法第十六条第四号の国家公安委員会規則で定める古物は、自動車である古物とする。

つまり自動車を売った相手方については、住所・氏名・職業・年齢の記載が要らないということになります。取引年月日・品目及び数量・特徴・確認措置の区分は記載します。

ここは二輪と扱いが違う点です。二輪にはこの除外がありません。二輪を売ったときは相手方の情報も書く、と覚えておいてください。

仕入れのときの本人確認は別の話

帳簿の記載が免除される場面があっても、買い取るときの相手方確認(法15条1項)は別に必要です。混同しないようご注意ください。確認の方法は本人確認の決まりや確認方法にまとめています。

相場を知らないと、仕入れの上限が決められない

車と二輪は一台の金額が大きいぶん、仕入れ値を数万円間違えるとその一台の利益が消えます。避けようがあるとすれば、売値の下限を先に知っておくことです。

フリマや個人売買サイトに並んでいるのは「売りたい価格」で、成約価格ではありません。これに対し、買取専門店の査定額は業者が実際にその金額で買う数字なので、下限の目安として使えます。査定額が小売価格より低いのは当然ですが、その差こそが古物商の利益の源泉です。

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二輪の相場をつかんでおく

手元に処分予定の一台があるなら、査定を出してみると相場の感覚がつかめます。業者間オークションのデータをもとに提示するサービスなら、卸値に近い水準が見えます。

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※相場を知るための利用です。売る気のない物を大量に送るのは各社に迷惑がかかります。1〜2社・数点で十分です。他人から預かった物や、仕入れた在庫を私物として出すことはできません。

※上記は広告です。当事務所と各社に資本関係はありません。解説の内容は広告の有無に左右されません。

忘れやすい|名義変更は15日以内

古物営業法とは別に、道路運送車両法の手続があります。

(移転登録)第十三条 新規登録を受けた自動車(以下「登録自動車」という。)について所有者の変更があつたときは、新所有者は、その事由があつた日から十五日以内に、国土交通大臣の行う移転登録の申請をしなければならない。

買い取って自社名義にしないまま在庫として置いておく、という運用をされる方がありますが、条文上の期限は上記のとおりです。車庫証明の要否や必要書類は車種・地域で変わりますので、迷われたらご相談ください。

参考(一次情報)

※本記事は一般的な解説です。個別の事情により結論が変わることがありますので、判断に迷われたときはお気軽にご相談ください。

古物商許可・金属くずのご相談は、地域の行政書士へ

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周南行政書士事務所 代表 広戸克義

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※本記事は一般的な解説です。個別の事情により結論が変わることがあります。判断に迷う場合は営業所を管轄する警察署または行政書士にご確認ください。

※2026年8月27日更新