古物商は個人と法人、どちらで始める?|許可・お金・手続きの違い
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古物商を始めるとき、個人事業として取るか、会社を作って法人で取るか。ここで一度立ち止まる方は少なくありません。
結論を先に言えば、最初は個人で始めて、規模が見えてから法人化するという順が、実務では圧倒的に多いです。ただし、あとから法人にするときに許可は引き継げないという、費用と時間のかかる落とし穴があります。
この記事では、許可・お金・手続きの3点で違いを整理します。
先に結論
- 許可の中身は同じ。ただし法人は役員全員の氏名・住所を申請書に書き、全員が欠格事由に触れないことが必要です(法5条1項7号)
- 個人の許可を、そのまま法人では使えません。法人化するときは取り直しになります
- 手数料19,000円は個人・法人とも同じ。法人はこれに会社設立の費用が上乗せされます
- 税務上どちらが有利かは、売上・所得・家族構成で変わります。この判断は税理士の領域です

許可|法人は「役員全員」が見られる
申請書に何を書くかは法5条1項に定めがあります。
(許可の手続及び許可証)第五条 第三条の規定による許可を受けようとする者は、その主たる営業所又は古物市場の所在地を管轄する公安委員会に、次に掲げる事項を記載した許可申請書を提出しなければならない。
一 氏名又は名称及び住所又は居所並びに法人にあつては、その代表者の氏名
四 第十三条第一項の管理者の氏名及び住所
七 法人にあつては、その役員の氏名及び住所
7号がポイントです。法人で申請すると、代表者だけでなく役員全員について書類を揃えることになります。人数が多いほど、住民票や身分証明書の取り寄せに手間と時間がかかります。
そして、役員のうち一人でも欠格事由にあたると許可は下りません。どういう人が該当するかは古物商許可が取れない人とは?にまとめています。名前だけ役員に入っている親族がいる、といった場合は事前の確認が要ります。
必要書類の全体像は古物商許可申請に必要な書類のご案内をご覧ください。
個人の許可は、法人に引き継げません
ここが一番のつまずきどころです。個人で許可を取って営業していた方が会社を作った場合、法人として改めて許可を取り直すことになります。手数料19,000円も、書類集めも、審査期間も、もう一度です。
詳しくは個人で古物商の許可を持っていますが、法人で使えますかをご覧ください。
だからといって「最初から法人で」とは限りません。まず個人で始めて、売上の形が見えてから法人化するほうが、結果的に無駄が少ないケースは多いです。取り直しの費用と、まだ形の見えない事業に会社を作る費用を、天秤にかけて決めることになります。
お金|開業のときに分けておくもの
個人・法人どちらでも、始めた直後にやっておくと後が楽になるのが「事業のお金と自分のお金を分ける」ことです。古物商は仕入れと売上が細かく何度も動くので、私用の口座と混ざると、あとで一件ずつほどく作業が発生します。
| 個人事業 | 法人 | |
|---|---|---|
| 口座 | 事業専用の口座を分けておく | 法人口座を開設する |
| カード | 事業用のカードを1枚分ける | 法人カード |
| 帳簿 | 古物台帳とは別に、会計帳簿が要ります | |
なお古物台帳と会計帳簿は別物です。古物台帳は法16条に基づく防犯のための記録、会計帳簿は税務のための記録で、書く項目も保存期間も違います。台帳のほうは古物台帳の決まり、書き方にまとめています。
事業用の口座やカードを連携しておくと、仕入れと売上が自動で取り込まれます。取引件数が多い古物商ほど、最初に入れておく効果が大きいものです。個人事業・法人のどちらにも対応しています。
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税務の有利不利は、税理士にご相談ください
「個人と法人でどちらが税金面で得か」は、売上・所得・家族構成・将来の計画によって変わります。行政書士は税務相談を業として行うことができませんので、当事務所では制度の説明までにとどめ、判断は税理士におつなぎしています。許可の側は当方でお引き受けできます。
営業所は、個人でも法人でも先に決める
許可申請では営業所の所在地を書きます(法5条1項2号)。自宅を営業所にできるかは、持ち家か賃貸か、使用承諾が得られるかで変わります。自宅を営業所として登録できる?にまとめました。
また、営業所ごとに管理者を置きます(法5条1項4号、法13条1項)。一人で始める場合はご本人が管理者になります。古物商の営業所には管理者が必要もあわせてご覧ください。
参考(一次情報)
※本記事は一般的な解説です。個別の事情により結論が変わることがありますので、判断に迷われたときはお気軽にご相談ください。
古物商許可・金属くずのご相談は、地域の行政書士へ
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周南行政書士事務所 代表 広戸克義
参考(一次情報)
- 古物営業法(e-Gov法令検索) 第5条第4項/第6条/第7条/第8条
- 地方公共団体の手数料の標準に関する政令(e-Gov法令検索) 別表 二十八(古物営業の許可に関する事務)
- 実際の手数料額は各都道府県の手数料条例によります。申請前に管轄の警察署でご確認ください
※本記事は一般的な解説です。個別の事情により結論が変わることがあります。判断に迷う場合は営業所を管轄する警察署または行政書士にご確認ください。
※2026年8月27日更新






