古物商許可に有効期限はある?更新は不要です|書換え・再交付・返納の手続きと手数料

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「古物商の許可って、何年かごとに更新するんですか?」。事務所でいちばん多い質問のひとつです。結論から申し上げると、古物商許可に有効期限はなく、更新の手続きもありません。ただし「放っておいて大丈夫」という意味ではありません。6か月以上営業していないと取り消されることがあるなど、期限とは別のかたちで気をつけるべき決まりがあります。この記事では、条文と政令を確かめながら整理します。

古物商許可に有効期限はありません

古物営業法をひととおり見ても、許可の有効期間を定めた条文はありません。運転免許のような「◯年ごとの更新」という仕組みが、そもそも制度として存在しないのです。ですから「更新料」「更新講習」といったものもありません。もしそうした案内が届いたら、それは公的な手続きではない可能性が高いので、まずご確認ください。

一度受けた許可は、返納するか取り消されるまで有効に続きます。次の章から、その「返納」と「取消し」を見ていきます。

期限より怖い「6か月ルール」(法第6条)

有効期限はありませんが、代わりに取消しの規定があります。ここが実務では一番効いてきます。

(許可の取消し)
第六条 公安委員会は、第三条の規定による許可を受けた者について、次に掲げるいずれかの事実が判明したときは、その許可を取り消すことができる。
一 偽りその他不正の手段により許可を受けたこと。
二 第四条各号(第十号を除く。)に掲げる者のいずれかに該当していること。
三 許可を受けてから六月以内に営業を開始せず、又は引き続き六月以上営業を休止し、現に営業を営んでいないこと。

第三号がポイントです。許可を取ってから6か月以内に営業を始めない、あるいは6か月以上まるまる休んでいると、取消しの対象になり得ます。「とりあえず取っておこう」で申請して、そのまま何もしないでいると、19,000円をかけた許可が無駄になりかねません。

また第2項では、営業所の所在地や本人の所在が確知できないときは、公告して30日待っても申出がなければ取り消すことができるとされています。引っ越して届出を怠っていると、これに引っかかる可能性があります。

変更があったら「届出」、許可証に書いてあることなら「書換え」

更新はありませんが、内容が変わったときの届出はあります。しかもタイミングが2種類あるので、ここは間違えやすいところです。

場面いつ届け出るか根拠
主たる営業所・古物市場の名称/所在地を変えるときあらかじめ(事前)法第7条第1項
それ以外の記載事項(氏名・住所・管理者・品目・URL・法人の役員など)が変わったとき変わったあと(事後)法第7条第2項
その届出の内容が許可証に書いてある事項にあたるときあわせて許可証の書換えを受ける法第7条第5項

営業所の移転だけが「あらかじめ」なのは、警察の側で新しい営業所を確認する必要があるからです。引っ越しが決まったら、動く前にご相談ください。

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URLの届出では「そのURLを使ってよい立場にあること」を書類で示します。独自ドメインを自分名義で取っておくと、この疎明資料が用意しやすくなります。当事務所のサイトも同じ仕組みで運用しています。

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手数料は政令に「標準額」が決まっています

許可証まわりのお金は、地方公共団体の手数料の標準に関する政令(平成12年政令第16号)の別表に、次の標準額が定められています。実際の額は各都道府県の手数料条例で決まりますが、この標準どおりとされているのが通例です。

手続き標準額根拠
新規の許可申請(審査)19,000円法第3条
許可証の書換え1,500円法第7条第5項
許可証の再交付1,300円法第5条第4項

更新料はどこにも出てきません

この別表に載っているのは「審査」「書換え」「再交付」の3つだけです。更新という項目自体が存在しません。これが「更新は不要」の一番はっきりした裏づけです。

許可証をなくしたら「再交付」(法第5条第4項)

許可証を亡失したり滅失したりしたときは、速やかに主たる営業所の所在地を管轄する公安委員会に届け出て、再交付を受けなければなりません。「そのうち」ではなく速やかに、と条文に書かれています。

なお、再交付を受けたあとに古い許可証が出てきた場合は、そのまま持っていてはいけません。次に説明する返納の対象になります。

やめるときは「返納」(法第8条)

許可証は、次のいずれかにあたったとき、遅滞なく返納しなければなりません。

  • 古物営業を廃止したとき
  • 許可が取り消されたとき
  • 再交付を受けたあとに、亡くした許可証を発見・回復したとき

廃止による返納があったときは、その時点で許可は効力を失います(同条第2項)。

古物商許可は相続で引き継げません

許可を受けた方が亡くなった場合、同居の親族または法定代理人が遅滞なく許可証を返納することとされています(法第8条第3項第1号)。古物営業法には許可を相続人に承継させる規定がないため、家業を継ぐ方はご自身で新たに許可を取り直すことになります。法人が合併で消滅した場合も、存続法人または新設法人の代表者が返納します(同項第2号)。事業承継を考えるときは、早めに段取りを組んでおくのが安全です。

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様式に沿った市販の台帳を使う手もあります

台帳は手書きでもExcelでも構いませんが、記載欄があらかじめ用意されているものを使うと、記入漏れが起きにくくなります。施行規則の様式に沿った市販品もあります。

※商品がどの改正に対応しているかは、販売ページの表記をご確認ください。当事務所が内容を保証するものではありません。

よくある質問

しばらく副業を休みます。許可は返した方がいいですか?

「廃止する」と決めたのでなければ、返納する必要はありません。ただし6か月以上まったく営業していない状態は取消しの対象になり得ます(法第6条第1項第3号)。少額でも取引を続けておく、あるいは管轄の警察署に事情を伝えておく、といった対応が現実的です。

引っ越しました。何をすればいいですか?

自宅を営業所にしている方は、引っ越す前に変更の届出が必要です(法第7条第1項)。あわせて許可証の書換え(1,500円)も受けることになります。届出を忘れたまま所在が分からなくなると、公告のうえ取り消される可能性があります(同法第6条第2項)。

取り扱う品目を増やしたいのですが、取り直しですか?

取り直しではなく、変更の届出で対応します(法第7条第2項)。品目は許可証の記載事項にあたるため、書換えも受けることになります。

「更新のご案内」というハガキが来ました。本物ですか?

古物商許可に更新制度はありません。公的な更新案内が届くことはないはずです。心当たりのない請求には応じず、まず管轄の警察署か行政書士にご確認ください。

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周南行政書士事務所 代表 広戸克義

参考(一次情報)

※本記事は一般的な解説です。個別の事情により結論が変わることがあります。判断に迷う場合は営業所を管轄する警察署または行政書士にご確認ください。

※2026年8月27日更新